歯科衛生士が採用できない、求人票のどこを直すか

歯科衛生士が採用できない、求人票のどこを直すか

歯科衛生士の採用がうまくいかないとき、「そもそも足りないから」で片づける前に、求人票そのものに直せる点がないか確認する余地があります。求人票には、法律が明示を求めている項目があり、出しっぱなしにしてよいものでもありません。この記事は、その条文を職業安定法と男女雇用機会均等法の原文から確認します。

目次

求人票には、明示しなければならない項目がある

この記事で読んだのは、職業安定法と男女雇用機会均等法です。職業安定法 第5条の3 第1項は、労働者の募集を行う者は、募集に応じようとする者に対し、従事すべき業務の内容と、賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければならないと定めています。求人票は自由な形式のお知らせではなく、この条文にもとづいて作る書面だという前提から始まります。

出しっぱなしの求人票は、それ自体が問題になる

職業安定法 第5条の4 第1項は、求人に関する情報について、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならないと定めています。さらに第2項は、労働者の募集を行う者は、広告等で提供する募集に関する情報を、正確かつ最新の内容に保たなければならないとしています。数か月前に出した求人票の給与や勤務条件が、実際の院内の条件とずれたまま掲載され続けている状態は、この条文が求める「最新の内容」から外れます。採用できない原因を探る前に、いま出ている求人票の記載が、現在の実態と一致しているかを確認する必要があります。

性別を条件にできない

男女雇用機会均等法 第5条は、事業主は労働者の募集や採用の場面で、性別を理由に機会の差をつけてはならないという趣旨を定めています。歯科衛生士は女性の資格者が多い職種ですが、この条文がある以上、求人票の中で性別を条件にしたり、性別を前提にした表現を使ったりすることはできません。求人票の文面を見直す際は、業務内容や条件面だけでなく、無意識に性別を前提にした言い回しが残っていないかも確認する対象になります。

求人票のどこを見直すか

ここまでの条文をふまえると、見直す順番は次のようになります。まず、業務内容・賃金・労働時間が、職業安定法が求める形で具体的に書かれているか。次に、記載されている条件が、いまの院内の実態と一致しているか。最後に、性別を前提にした表現が残っていないか。この3つは、採用市場の競争力とは別に、条文が先に求めている最低限の確認事項です。そのうえで、教育体制や研修の有無など、応募者が知りたい情報を具体的に書き足していくと、求人票の内容そのものが厚みを持ちます。

まとめ ── 採用の前に、求人票そのものを確認する

歯科衛生士が採用できない理由を人手不足だけに求めると、求人票そのものの見直しが後回しになる場面があります。職業安定法は労働条件の明示と、最新の内容に保つことを求め、男女雇用機会均等法は性別を理由にした条件づけを禁じています。まずこの条文が求める最低限を満たしているかを確認するところから、求人票の見直しを始められます。

参考にした情報源

上のリンク先は、デジタル庁が運営する e-Gov法令検索の条文ページです。この記事に書いたことは、そこに表示される条文と一つずつ突き合わせられます。条文は改正で変わります。最終確認は、そのときの原文でお願いします。

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この記事を書いた人

近藤 宏海のアバター 近藤 宏海 代表取締役

近藤 宏海(こんどう ひろみ)/株式会社ガラパゴスワークス 代表取締役。歯科医院の開業から日々の運営まで、事務の現場を担ってきました。自社で歯科医院向けのWebアプリ「事務長AI」と、歯科医師向けアプリ「シカノバ」を開発・運営しています。

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